ダイビングライセンス
2023年07月17日

潜水士とはどんな仕事?ダイビングを仕事にしたい人におすすめの職業

水槽を掃除する潜水士
ダイビングを趣味にしている方の中には、将来ダイビングに関わる仕事をしたいと考える方もいるかもしれません。ダイビングに関わる仕事のひとつに挙げられるのが、潜水士という職業です。

今回は、潜水士の仕事内容や潜水士に必要な資格、潜水士に向いている方の特徴について解説していきます。海に関わる仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

 

潜水士とは

潜水士とは、潜水活動を行いながら、水中でさまざまな作業を行う仕事です。潜水士の仕事には建設関係・船舶関係・レスキュー活動・マスコミ関係・レジャー関係などが挙げられ、それぞれの仕事によって以下のような作業を行います。

 

<建設関係>

  • 防波堤や岸壁などの建築作業
  • 水中での溶接作業
  • コンクリートブロックの据え付け など

 

<船舶関係>

  • サルベージ
  • 船底の清掃
  • 点検補修作業 など

 

<レスキュー関係>

  • 災害、事故のレスキュー隊活動 など

 

<マスコミ関係>

  • 水中撮影 など

 

<レジャー関係>

  • レジャーダイビングのインストラクター
  • 水族館での餌付け作業
  • 水族館での生態調査 など

 

潜水士は水中で作業するための唯一の仕事であり、作業場所のほとんどが水の中になります。

潜水士の潜水方式

潜水士の潜水方式には3つの種類があり、作業の目的や作業時間、水温などの条件に応じて適した潜水方式が選ばれます。

 

■ヘルメット潜水
ヘルメット潜水とは、潜水服やヘルメットを装着して潜水する方式です。船からヘルメット内に空気が送り込まれるため、タンクの容量を気にせず作業できる特徴があります。潜水服内部にも空気を入れられるため、浮力が強く重いものを扱う作業にも適しています。しかし、ヘルメットや潜水服の扱いが難しく、すぐに習得できるわけではありません。

■スクーバ潜水
スクーバ潜水とは、空気の入ったタンクを背負って潜水する方式です。他の潜水方式よりも機動性が高く広い範囲を行動できるため、調査作業などに活用されています。ただし、タンクの容量には限りがあるので、長時間の作業には向いていません。

■フーカー潜水
フーカー潜水とは、ヘルメット潜水とスクーバ潜水のメリットを組み合わせた潜水方式です。船から空気を送るため長時間作業を進められますが、ヘルメット潜水よりも軽い装備のため、広い範囲で行動できます。

 

潜水士の年収相場

厚生労働省のデータによると、全国的な潜水士の年収相場は460.7万円です。令和四年の一般労働者の年収平均は374.1万円であるため、平均的な年収よりは100万円ほど高いことがわかります。

潜水士の仕事は、命に関わる危険な作業や減圧症などの病気の発症リスクも高く、資格を持った方しか行えません。他の仕事と比べると専門性が高いため、その分年収も高めに設定されています。

潜水士の需要

潜水士の仕事は上記のとおり多岐にわたるため、さまざまな企業や団体で潜水士の需要は高いです。さらに、潜水士の仕事は危険を伴うことが多くある厳しい仕事のため、一年を通して求人募集がされている仕事でもあります。とくに近年では、津波対策など海洋建設業での潜水士の需要が高まっています。

潜水士として企業に属することが一般的ですが、フリーの潜水士としてさまざまな仕事を引き受けることも可能です。フリーランスとして活動することで、仕事の内容や報酬を自分で決められるメリットがあります。

 

潜水士に必要な資格

潜水士になるには、国家資格である潜水士免許が必要です。潜水士免許の試験は基本的に年6回実施されており、試験に合格すると資格を取得できます。潜水士免許には実技試験はないため、知識だけでなく技術も習得したい方は、実技講習を受けることも可能です。潜水士免許の取得には、学歴や経験の有無は問われません。

潜水士免許の試験概要は、以下のとおりです。

 

試験科目

・潜水業務

・送気、潜降および浮上

・高気圧障害

・関係法令

試験時間

4時間(1科目につき1時間)

試験時期

4月、6月、7月、9月、12月、翌年2月(令和五年度の場合)

出題形式

五指択一式のマークシート

合格基準

各科目に4割以上の特典があり、かつ全科目の総合得点が6割以上

合格率

76.5%(令和四年度実績)

 

潜水士免許の試験は、2週間前までに申し込みできます。学科講習や試験用対策テキストなどが多くあるため、しっかり勉強して試験に臨むことが大切です。

潜水士免許を取得すると、以下のいずれかの方法で、潜水士の仕事に従事できます。

 

  • 潜水業務を行っている民間企業に入社する
  • 大学などの研究機関に所属して海洋調査などに参加する
  • 海上自衛隊や警察などの公的な組織に所属する

 

ただし、仕事によっては潜水士免許以外の知識や技術が求められるケースもあります。たとえば船舶関係の作業を行う場合、潜水士免許に加えて、船に関する知識や技術が必要です。多くの企業では、入社後働きながら技能を高めていく教育システムを導入しています。

ダイビングライセンスと潜水士免許の違い

ダイビングを趣味にしている方の多くが、Cカードと呼ばれるダイビングライセンスを所持しています。しかし、ダイビングライセンスがあるからといって、潜水士になることはできません。

ダイビングライセンスは民間機関が認定する資格であるため、国家資格である潜水士免許の役割は果たせません。あくまでもダイビングライセンスは、趣味や遊びのダイビングを安全に行うためのライセンスであるため、潜水士になりたい方は潜水士免許が必要です。

ダイビングインストラクターになるには、潜水士免許に加えて、民間機関が認定する資格も必要です。民間機関が認定する資格にはさまざまなランクがあり、インストラクターになるにはファンダイブの引率だけではなく、一部講習を担当できるランクのライセンスを取得しなければいけません。

 

潜水士に向いている人の特徴

水の中やダイビングが好きな方の中には、水中で作業する唯一の仕事である潜水士に興味を持つ方もいるかもしれません。潜水士に向いている方の特徴には、以下の3つが挙げられます。

 

  • 海が好きな方
  • チームワークを大切にできる方
  • 地道に訓練できる方

 

海が好きな人

潜水士はほとんどの仕事を海の中で行うため、海に苦手意識のある方は潜水士に向いていません。潜水士の仕事中には、魚などの生き物が目の前で泳いでいる姿を見ることもでき、海が好きな方にとってはうってつけの仕事だといえるでしょう。仕事の大半を潜水に当てるため、とくにダイビングが好きな方には向いている仕事のひとつです。

チームワークを大切にできる人

潜水士の仕事は、一人で行う業務はほとんどありません。業務を素早く確実にかつ安全に行うためにも、複数の潜水士と一緒に潜り作業することが大半です。そのため、潜水士の仕事には人と協力するチームワークが重要です。人とコミュニケーションを取ったり、誰かと協力してゴールを達成したりするのが好きな方は、潜水士の仕事に適しています。

地道に訓練できる人

潜水士免許を取得しただけでは、すぐに潜水士として活躍できません。潜水士には知識だけでなく技術が必要であるため、一人で作業できるようになるまで、長い訓練と現場経験が必要です。地道に訓練できる方でなければ、潜水士として一人前になることは難しいでしょう。目標に向かって諦めずに地道な訓練や努力を行える方が、潜水士に向いています。

 

まとめ

潜水士とは、海の中に潜りさまざまな作業を行う仕事のことを指します。建設関係・船舶関係・レスキュー活動・マスコミ関係・レジャー関係など、さまざまな種類の仕事がありますが、共通するのはすべて海の中で作業する点です。

潜水士になるには、国家資格である潜水士免許の取得が必要です。今回ご紹介した潜水士に向いている方の特徴に当てはまる場合は、潜水士になることを検討してみてはいかがでしょうか。

ダイビングを仕事にしたい場合、潜水士免許に加えてインストラクターライセンスも必要です。インストラクターのラインセンスは、初歩的なダイビングラインセンスを取得し、徐々に上のランクを目指していくのがおすすめです。東京でダイビングのライセンスを取得するなら、「東京ダイビングスクール Beyond」にお任せください。最新のデータを活用した技術や知識を、19,800円で学べます。