海の生き物
2023年12月25日

ウミウシとアメフラシの違いとは?魅力や特徴・具体的な違いを解説

ウミウシ
海にはさまざまな生き物が暮らしており、陸上で見られないような生き物を観察できるのがダイビングの魅力のひとつです。人気が高い海の生き物の一種に、ウミウシとアメフラシが挙げられます。

一見似ている姿をしているウミウシとアメフラシですが、どのような違いがあるのでしょうか。今回は、ウミウシとアメフラシそれぞれの生態や4つの違い、それぞれの種類や魅力について解説していきます。

ウミウシとアメフラシの生態について

ウミウシとアメフラシは、一見似ていますが別の生き物です。まずは、それぞれの生態について見ていきましょう。

ウミウシとは

ウミウシは、腹足綱異鰓上目に分類される軟体動物であり、貝殻を持たない巻貝と同じ仲間です。腹足綱には、カタツムリやナメクジなども分類されており、海に住む殻のないカタツムリとイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。

生物学的な分類では、世界には5,000〜6,000種類以上のウミウシが生息していると言われており、それぞれの種類で色や見た目が大きく変わります。どの種類のウミウシもカラフルで派手な見た目をしているので、「海の宝石」と謳われるほど人気の高い生き物です。

通常、生き物には一対一で目が決まっていることが一般的ですが、ウミウシは種類の多さから特定の目が決まっていません。生物学的には、裸鰓亜目あるいは裸鰓目が典型的なウミウシに分類されることが多いです。

アメフラシとは

アメフラシは、腹足綱異鰓上目後鰓目無楯亜目に分類される軟体動物です。ウミウシとは上目までが同じであり、ウミウシは目からは特定されていないことから、アメフラシは大きく見るとウミウシの一種だと言えます。ただし、ウミウシとアメフラシにはさまざまな違いがあり、まったく同じ生き物というわけではありません。

アメフラシの由来は、「雨降らし」からきていると言われています。アメフラシは、刺激を受けると紫色の液を出す特徴があり、その液体が海の中で雨雲のように見えることから、アメフラシと呼ばれるようになりました。アメフラシの体長は15〜40cmで、黒いナメクジのような見た目をしているのが特徴です。水深1〜3mや磯、干潟で暮らしており、海藻類を主食にしています

ウミウシとアメフラシの違い

ウミウシとアメフラシは、生物学的には近縁であり、同じ生き物と勘違いされやすいですが、実際は別の生き物です。ウミウシとアメフラシの細かい違いには、以下の4つが挙げられます。

  • 食の違い
  • 身体の見た目の違い
  • 卵の見た目の違い
  • 身を守る方法の違い

食の違い

ウミウシは種類によって肉食・草食がバラバラであり、海綿やコケムシなどの動物を食べる肉食の種類も多いです。しかし、アメフラシは草食であり、ワカメや海藻を主食としています。

身体の見た目の違い

ウミウシとアメフラシは、見た目が大きく異なります。ウミウシは種類が多いものの、ほとんどの種類がピンクやブルー、オレンジなどカラフルな見た目をしているのが特徴です。ウミウシの中には毒を持つものもあり、カラフルな見た目を持つことで危険性をアピールしています。

一方、アメフラシは基本的に茶色の身体を持っており、白色や黒色の斑点がある地味な見た目が特徴です。

身体の大きさも、ウミウシとアメフラシは大きく異なります。ウミウシは3cmなどと小さい種類のものが多いですが、アメフラシは15〜40cmと数十倍も大きいのが特徴です。

卵の見た目の違い

ウミウシとアメフラシは身体の見た目も違いますが、卵も見た目が異なります。ウミウシの卵はバラの花やフリルのついたリボンのような見た目をしており、ウミウシの身体のようにカラフルな色味が特徴です。

一方アメフラシの卵は、黄色やオレンジ色のちぢれ麺のような見た目をしています。その特徴的な見た目から、アメフラシの卵には「ウミゾウメン」という名前もついており、一部のダイバーからの人気が高いです。

身を守る方法の違い

ウミウシとアメフラシは巻貝の仲間ではあるものの、貝殻が退化して小さくなったり、消えたりしているため直接的に身は守れません。しかしそれぞれには異なる身を守る方法があり、ウミウシは体内に溜めた毒を使って攻撃します。

一方アメフラシには毒性はなく、紫色の液体を使って身を守ります。身体を突かれるなどの刺激を与えられると身体から紫色の液体を放出し、それにより敵の目をくらませ身を守るのです。

ウミウシの種類

世界には5,000種類以上のウミウシがいると言われているほど、種類が多い生き物です。今回は数多くの種類があるウミウシの中から、とくに日本で人気の高い3種のウミウシをご紹介します。

  • ミゾレウミウシ
  • シンデレラウミウシ
  • ゴマフビロードウミウシ

ミゾレウミウシ

ミゾレウミウシは、淡い青色の身体に、黒色の線状の模様と白い細かい点が特徴のウミウシです。触角とエラには、ラメのように細かい白色の点が散在しています。伊豆諸島や沖縄など暖かい海で観察でき、鳥羽水族館などの水族館にも展示されています。

シンデレラウミウシ

名前が特徴的なシンデレラウミウシは、紫色の身体に白い縁取りがグラデーションのように入っており、オレンジ色の触角やエラが一際目立つ種類のウミウシです。体長は100m前後とほかのウミウシよりも大きいため、遠くからでも簡単に見つけられます。日本では、伊豆諸島や沖縄などに生息しています。

ゴマフビロードウミウシ

「海うさぎ」「ゴマちゃん」などの愛称で親しまれているゴマフビロードウミウシは、うさぎのような見た目で多くのダイバーから愛されています。白色や薄いオレンジ色の身体に、立体的な黒色の点が特徴的で、黒色の触角がついています。体長は2cmと小さく、北海道以南から太平洋側の広い範囲が生息地域です。

アメフラシの種類

アメフラシは見た目が茶色の種類が一般的ですが、中には変わった見た目をしているアメフラシの種類もあります。今回は、通常のアメフラシとは違う3つの種類のアメフラシについてご紹介します。

  • ミドリアメフラシ
  • アマクサアメフラシ
  • クロヘリアメフラシ

ミドリアメフラシ

ミドリアメフラシは、体長が5cm程度の小柄な種類のアメフラシです。身体は緑がかった茶色をしており、黒色や黄土色の小さな斑点が多くついています。日本では、沖縄や小笠原諸島、八丈島などの暖かい海に生息しています。

アマクサアメフラシ

アマクサアメフラシは、茶色や褐色の見た目が特徴的なアメフラシです。体長は10〜20cmで、日本中に生息しています。刺激を与えると白色の液体を放出するのが特徴です。

クロヘリアメフラシ

茶色や赤色の身体が特徴的なクロヘリアメフラシは、体長3〜6cm程度の小さな種類のアメフラシです。世界中の熱帯から温帯の海に生息しており、日本では北海道から沖縄の浅瀬の海で遭遇できます。

ウミウシ・アメフラシの魅力

ウミウシとアメフラシがダイバーに愛されている理由には、以下の3つが挙げられます。

  • 種類が多い
  • 見た目がかわいらしい
  • 簡単に観察できる

種類が多い

ウミウシやアメフラシは種類が多く、ダイビングスポットごとにさまざまな見た目のウミウシやアメフラシが見られるのが魅力のひとつです。とくにウミウシは、種類ごとに見た目が大きく異なるため、「今回はどのような種類のウミウシやアメフラシに会えるんだろう」といった宝探し感を味わえるのも魅力だと言えます。

見た目がかわいらしい

ウミウシやアメフラシは、ゆるキャラ感があるかわいらしい見た目が大きな魅力です。ウミウシはカラフルな色彩、アメフラシは大きさが特徴であり、海の中で見つけるとテンションが上がるダイバーも多いのではないでしょうか。

簡単に観察できる

ウミウシやアメフラシは、魚やほかの生き物に比べると動きがゆっくりであるため、水中で観察しやすいのも魅力のひとつです。さらに、ウミウシは色が鮮やかでアメフラシは姿が大きいため、海の中でも見つけやすい特徴があります。ただし、ウミウシは毒を持っているため、姿を見つけても触れないよう気をつけましょう。アメフラシには毒はありませんが、刺激を与えたときに放出される紫色の液体は、手につくと取れないので注意が必要です。

まとめ

ダイバー人気の高いウミウシやアメフラシは、一見似ている外見をしていますが、実は別の生き物であり大きく4つの違いがあります。ウミウシやアメフラシはさまざまな種類があるため、ダイビングごとに違うウミウシ・アメフラシを探してみてはいかがでしょうか。

ウミウシやアメフラシは観察が簡単ですが、中にはダイビングのスキルがなければ観察が難しい生き物もいます。多くの海の生き物を観察するには、ダイビングライセンスを取得して、スキルと知識を身につけるのがおすすめです。ダイビングライセンスの取得は、「東京ダイビングスクール Beyond」にお任せください。安全にダイビングを楽しめるよう一般的な講習よりも時間が長く、質の高いトレーニングを受講できます。