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2023年08月10日

ダイビングに重要なEFRとは?講習や資格について徹底解説

 

ダイビング講習

ダイビングにおいて、安全を守ることは最優先事項です。海中は陸上と環境が大きく異なるため、予期せぬ事態が起こる可能性が否めません。そのような状況でも、適切な対応を行えばダイビングライフの安心感を高められます。

ダイバーの安全を守るために、重要なスキルのひとつがEFRです。今回は、EFRの内容や重要性、メリット、トレーニング方法について詳しく解説していきます。

 

EFRとは?

EFRは「Emergency First Response」の略称であり、命にかかわる緊急時のケアとケガ・病気のケアに関して学ぶプログラムのことです。陸上とは大きく環境が異なる海の中では、体調不良や機材トラブル、海況の悪化などのさまざまな原因から、トラブルが起こる可能性が否めません。

EFRを身につけることで、そのようなトラブルの際に適切に対処でき、ほかのダイバーを救助できる確率が高くなります。EFRは、ダイビング業界で広く認識されている応急処置トレーニングプログラムであり、PADIなどのダイビング認定団体では講習も開催されています。EFRでは、緊急時にダイバー仲間の命を守るスキルや自信を養うことも可能です。

EFRの重要性

EFRのトレーニングを受けることで、ダイビング中にトラブルが起きた場合に、迅速かつ的確に行動できるようになります。たとえば、ダイビング中にほかのダイバーが溺れてしまった場合、救助に関する知識や経験がなければ、咄嗟の行動はなかなかできません。間違った行動をしてしまうと、かえって悪影響を及ぼす可能性もあるので、知識や技術がない状態で動くのは危険です。

ダイビング中はすぐに救急車や医師を呼べる環境ではないため、EFRを身につけておけば医療機関までのつなぎができます。ダイバーの命を守るためには、EFRの知識や技術は非常に重要です。

 

EFRを身につけるメリット

EFR の重要性が理解できても、「わざわざ自分がEFRを身につける必要はないのではないか」と考える方も少なくないでしょう。しかし、EFRは自身のためにも身につけておくべきスキルです。EFRを身につけるメリットとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • 応急処置のスキルを習得できる
  • 安心してダイビングを楽しめる
  • 日常生活でも応用できる

 

応急処置のスキルを習得できる

EFRを身につけることで、基本的な応急処置スキルを効果的に習得できます。心肺蘇生法・AEDの使用方法・出血の止め方・骨折の応急処置など、命を救うためのさまざまな技術を身につけられ、これらの技術はほかの方だけでなく、自分のためにも役立ちます。

安心してダイビングを楽しめる

ダイビングは楽しい反面さまざまなリスクも存在するため、「ダイビング中に何かあったらどうしよう」と不安を抱える方も少なくありません。しかし、EFRを身につけることでトラブル時の対処法を知れるため、心に余裕を持った状態でダイビングが楽しめます。EFRを習得しておけば、大切な仲間や子どもと一緒にダイビングを行う際も安心です。

日常生活でも応用できる

EFRで身につけた応急処置スキルは、日常生活でも応用できます。ケガや突然の病気に遭遇した際に、迅速かつ適切に対応できる能力は、自分だけでなく大切な家族や友人など、ほかの方の安全を確保するのに役立ちます。いざというときに備えておきたい方は、ぜひとも身につけておきたいスキルのひとつです。

 

EFRを身につける方法

EFRを身につけるためには、専門の講習を受ける必要があります。スクールやショップなどさまざまな団体がEFRトレーニングを行っていますが、今回はダイビングの世界最大シェアを誇るPADIのEFRトレーニングについて見ていきましょう。

PADIが実施するEFRトレーニングの特徴

PADIのEFRトレーニングは、応急処置スキルの基本から応用までを総合的に学ぶプログラムです。PADIのEFRトレーニングには3つの種類があり、それぞれ以下のスキルを習得できます。

 

<EFR一次ケア・二次ケアトレーニングで習得できるスキル>

  • 心肺蘇生法(CPR)
  • 窒息している方の救助方法
  • 包帯や骨折などにおける副木の使用方法 など

 

<EFR CPR&AEDトレーニングで習得できるスキル>

  • 心肺蘇生法(CPR)
  • AEDの使い方
  • 窒息している方の救助方法 など

 

<EFR子どもためのケアトレーニングで習得できるスキル>

  • 乳幼児、小児への心肺蘇生
  • 一般的な小児のケガ・病気への対処法
  • 窒息している乳幼児の救助方法 など

 

EFRトレーニングの修了までの流れ

PADIのEFRトレーニングを修了するには、以下の流れが一般的です。ここでは、EFR一次ケア・二次ケアトレーニングを解説します。

 

  • STEP1:教材を使って知識をつける
  • STEP2:インストラクター指導のもとスキルを練習する
  • STEP3:緊急事態のシナリオの中でスキルを実践する
  • STEP4:修了認定カードや認定証書をもらう

 

一次ケアは命にかかわる緊急のケア、二次ケアは命にかかわらないケガ・病気のケアのことです。PADIのEFR一次ケア・二次ケアトレーニングでは、9種類の一次ケアスキルと4種類の二次ケアスキルが身につきます。STEP3のシナリオも5種類用意されているため、さまざまな状況を実践することが可能です。

EFRトレーニングを受講する方法

EFRトレーニングに参加するには、認定されたEFRインストラクターが提供するコースに登録する必要があります。ダイビングショップやダイビングスクールで、講習の日程や受講料を確認してから予約しましょう。PADIの「EFR一次ケア・二次ケアトレーニング」のページから、地域ごとのショップを探すことも可能です。

EFRトレーニングは、救急ケアに興味があれば誰でも参加できます。ダイバーでない方でも参加できる点も、特徴のひとつです。

EFRトレーニングの費用

PADIのEFRトレーニングは、ショップやスクールによって費用が異なります。EFR一次ケア・二次ケアトレーニングを受講する場合、2.5万円程度が相場です。

ただし、EFRの有効期限は2年と限られています。取得してから2年経つと、更新する必要があるため注意しましょう。

 

EFRの活用方法

EFRを身につけると、主に以下の方法で活用できます。

 

  • ライセンスを取得できる
  • レスキューダイバーコースを受講できる
  • 履歴書に記載できる

 

ライセンスを取得できる

PADIには、EFRインストラクターのライセンスがあり、このライセンスを取得することでEFRの各コースを開催できます。ライセンス取得にはEFR一次ケア・二次ケアトレーニングの修了が必須です。EFRインストラクターのコースに参加し試験に合格すると、ライセンスを取得できます。

レスキューダイバーコースを受講できる

レスキューダイバーとは、ダイビング中の安全を守るためのレスキュースキルが備わった方に認定されるライセンスです。レスキューダイバーを取得することで、レスキューに関するあらゆる知識やスキルを養え、安全性の高いダイビングができます。ダイブマスターやインストラクターなど、ダイバーとしてのステップアップにも欠かせないライセンスであり、レスキューダイバーコースの受講にはEFRトレーニングの受講が必須です。

履歴書に記載できる

EFRは、世界的に認められた医療ガイドラインに基づく、信頼性の高いプログラムです。EFRトレーニングを修了していれば、アピールポイントとして履歴書に記載できます。

 

まとめ

EFRとは、命にかかわる緊急時のケアと、ケガ・病気のケアに関して学ぶプログラムであり、ダイビング業界で広く認識されている応急処置トレーニングです。EFRを身につけることで、ダイビング中にトラブルが起きた場合、迅速かつ的確に行動でき、安心してダイビングを行うためにも取得が推奨されています。

PADIのEFRトレーニングは、ダイバーでなくても受講できるため、自分や大切な方の命や健康を守りたい方は受講を検討してみましょう。EFRを身につけたら、これまで趣味にしていたダイビングを本格的に始めてみるのも良いかもしれません。

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