ダイビングのウェア・器材
2023年08月21日

ダイビング時のドライスーツの効果とは?ウェットスーツとの違いも紹介

ダイビングに向かう様子
スキューバダイビングを行う際、ウェットスーツの着用は必須です。しかし、水温が低い時期は、ウェットスーツだけでは寒さに耐えられません。

そのような状況において、多くのダイバーが活用するのがドライスーツです。今回は、ドライスーツの特徴やウェットスーツとの違い、使用するメリットや注意点などについて解説していきます。

 

ドライスーツとは

ドライスーツは水温が低いときのダイビングに使われるウェットスーツであり、主に以下のような特徴があります。

 

  • 身体が水に濡れるのを完全に防ぐ
  • 空気を使って保温する

 

ドライスーツは、首や手首が密着度の高い素材でできているため、水がスーツの中に侵入することがありません。そのため、水の中を移動するダイビングであっても、頭と手以外は完全に濡れないため、寒さを防げます。

さらに、タンクを使ってスーツの中に空気層をつくることも可能であり、保温効果が高いのが特徴です。水が侵入しないため、日常生活で使用しているような暖かいインナーも着用できます。暖かい状態を保ったままダイビングができるドライスーツは、寒い時期にダイビングを楽しむためには欠かせないアイテムです。

ドライスーツとウェットスーツの違い

通常のウェットスーツとドライスーツには、以下のような違いがあります。

 

 

ドライスーツ

ウェットスーツ

保温性能

身体から水を完全に遮断し体温を保つ

水をスーツ内に浸透させて体温を保つ

適応環境

寒冷な水域や冬季
(水温25度以下が目安)

温かい水域や夏季
(水温25度以上が目安)

 

水温が25度を下回る低い場合はドライスーツ、25度以上の場合はウェットスーツを使用しましょう。それぞれのスーツを使い分けることで、一年中快適にダイビングを楽しめます。

フルドライスーツとセミドライスーツの違い

ドライスーツは、フルドライスーツとセミドライスーツの2つに分類され、それぞれ以下のような特徴があります。

 

  • フルドライスーツ:首から足元まですべて一体型になっており、頭と手のみが外に出ているタイプ
  • セミドライスーツ:完全防水ではないが水が中に侵入しにくいタイプ

 

セミドライスーツは、ドライスーツという名前がついているものの、完全に水を防ぐわけではありません。さらに、海外ではセミドライスーツはあまり普及されていないため、日本以外のショップではレンタルできない可能性が高いです。今回は、フルドライスーツに焦点を当てて解説していきます。

 

ドライスーツを選ぶポイント

ドライスーツといってもさまざまな特徴があるため、どういったものを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。自分に合ったドライスーツを選ぶには、以下の3つのポイントを押さえておくのがおすすめです。

 

  • 種類
  • サイズ感
  • 付属品

 

種類

ドライスーツには2つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

 

  • ネオプレーンタイプ
  • シェルドライタイプ

 

■ネオプレーンタイプ
日本で使用されるドライスーツの8割がこのタイプであり、通常のウェットスーツと同じ素材が使われています。身体にぴったりとフィットする特徴があり、スーツ内に水が入ることはほとんどありません。保温性を持つ生地が使われているため、暖かい状態でダイビングを楽しめます。

■シェルドライタイプ
レインコートのような防水素材でできているタイプで、ネオプレーンタイプよりもゆったりしたシルエットであり、中に厚手のインナーを着用できます。生地自体に保温性はありませんが、耐久性が高いのが特徴です。海外では主流のタイプですが、日本では作業ダイバーなどが主に使用しています。

サイズ感

ドライスーツはフィット感が重要であるため、適切なサイズを選びましょう。とくに、首や手首がフィットしていなければ、ダイビング中に水が入ってしまいドライスーツの意味がありません。ただし、タイトすぎると水中で動きにくく、圧迫感が強くなりすぎてしまいます。そのため、きつすぎずゆるすぎないサイズのものを選びましょう。

付属品

ドライスーツには防水のファスナーがついており、現在は背中にファスナーがついているタイプが主流です。ダイビング中はあまり背中を動かさないため、ファスナーが後ろについているタイプが動きやすいですが、慣れるまでは一人で閉めることが難しいかもしれません。前にファスナーがついているタイプは着脱が容易ですが、首を通すのが難しかったり、後ろにファスナーがあるタイプより動きにくかったりといったデメリットがあります。

 

ドライスーツのメリット

ダイビングにドライスーツを使用すると、以下のようなメリットが得られます。

 

  • 保温性が高い
  • 水温を気にせずダイビングができる
  • ダイビング中疲れにくい

 

保温性が高い

ドライスーツは水の侵入を防げるため保温性が高く、水が原因で身体が冷えることはありません。身体が濡れないため、普段使っているインナーをドライスーツの中に着用でき、保温性をさらに高められます。ただし、顔と手はドライスーツの外に出ているため、グローブやフードなどの小物も合わせて活用しましょう。

水温を気にせずダイビングができる

身体が濡れないドライスーツを着ることで、水温を気にせずダイビングが楽しめます。寒冷な水域や冬場の海、深海など、さまざまな環境でのダイビングに挑戦したい方には、ドライスーツは必須アイテムです。

ダイビング中疲れにくい

ドライスーツを着ると身体が冷えにくいため、体力の消耗を抑えられるのもメリットのひとつです。ダイビングのあとも、頭を洗ってスーツを脱ぐだけで事後処理が完了するため、帰り支度にかかる時間を短縮できます。

 

ドライスーツを使用する際の注意点

水温が低い時期のダイビングに欠かせないドライスーツですが、着用する際は以下の点に注意しましょう。

 

  • 適切な講習を受ける
  • 着脱を慎重に行う
  • メンテナンスを怠らない

 

適切なトレーニングを受ける

ドライスーツは、通常のウェットスーツと比べて複雑な構造をしているため、適切な講習を受けて正しい使い方を知ることが大切です。ドライスーツの講習は必須ではありませんが、万が一のトラブルを防ぐためにも講習を受けるのがおすすめです。ドライスーツの講習は、PADIなどのダイビング認定団体で開催されています。

着脱を慎重に行う

ドライスーツを着脱する際、爪を立てたり鋭利なものが当たったりすると、首・手首部分に使われているシールやファスナーが破れてしまうことがあります。ドライスーツの着脱は正確な手順で、生地にダメージを与えないよう慎重に行いましょう。

メンテナンスを怠らない

ドライスーツは、定期的なメンテナンスが必要です。使用後は海水をきれいに洗い流し、ファスナー部分や首・手首部分は、スーツの中に水が入らないよう丁寧に水洗いしましょう。乾燥させる際は、外で干すと紫外線によって劣化する可能性があるため、必ず陰干しする必要があります。外側と内側どちらも乾燥させることで、嫌な臭いなどがこもりません。

保管する前はラテックスやシール部分をきれいに清掃し、ラテックス同士がくっつかないようにパウダーをつけておくのがおすすめです。ファスナーに専用のグリースを塗ることで、開閉が滑らかになります。長期間保管する際は折りたたまず、丸めるように収納しましょう。

 

ドライスーツの正しい着用方法

ここからは、ドライスーツを適切に使用する方法について解説していきます。

 

  • STEP1:足を片足ずつ入れる
  • STEP2:手首のシール部分を強く引っ張らないよう手を入れる
  • STEP3:首のシール部分を強く引っ張らないよう両手を使って頭を入れる
  • STEP4:背中のファスナーを閉める
  • STEP5:首のシール部分を内側に少し折る
  • STEP6:首のシール部分にスペースをつくりながらしゃがんでスーツの空気を抜く

 

正しく着用しないと、スーツの中に水が入るなどのトラブルが起こる可能性もあるため、必ず正しい方法で着用しましょう。

 

まとめ

ドライスーツには、水の侵入を防ぎ空気で温める特徴があるため、水温が低い時期のダイビングに欠かせません。今回ご紹介した3つのポイントを参考に、自分に適したドライスーツを選びましょう。ドライスーツを購入したら、講習の受講や適切なメンテナンスも合わせて行う必要があります。

東京都内のダイビングスクール「東京ダイビングスクール Beyond」では、ライセンスを取得するコースでドライスーツを無料でレンタルできます。寒い時期にライセンスを取得する方も安心して受講できますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。