ダイビングコンピューターとは?重要性や選び方・種類について解説
Contents
ダイビングは、美しい海の世界を探索できる人気の高いアクティビティですが、楽しむためには安全を守ることが最優先です。ダイビング中の安全を守るためのアイテムのひとつが、ダイビングコンピューターです。
ダイビングコンピューターはダイバーにとって必須のアイテムであるため、ダイビングを始めようと考えている方は重要性や種類、選び方やメンテナンス方法について知っておきましょう。
ダイビングコンピューターとは
ダイビング業界で「ダイコン」「DC」と呼ばれるダイビングコンピューターとは、腕時計のような形をしたダイビングをサポートするデバイスです。ダイビングコンピューターには以下の機能があり、ダイバーの安全を守る役割があります。
- 深度計測
- 潜水時間の計算
- 安全停止のリマインダー
- 水温計測
- 浮上速度の測定
深度計測
深度の情報は安全な下降・浮上のために重要であり、ダイビングコンピューターはリアルタイムで深度を正確に計測しています。自分が潜っている深度を肌感覚で知ることは難しいため、ダイビングコンピューターを頻繁に確認して、限界深度を超えないようにしましょう。
潜水時間の計算
ダイビングには「無減圧潜水時間」と呼ばれる、今の水深に安全に留まれる時間が決まっており、ダイビングコンピューターを使うことでその時間を正確に知れます。無減圧潜水時間を過ぎると、減圧症の可能性が高まるため、必ずダイビングコンピューターで確認して超過しないようにしましょう。
安全停止のリマインダー
ダイビングの終了時は、身体に溶け込んだ窒素を排出するために、水深3〜6メートルで3分間程度停止しなければいけません。この動作を安全停止と呼び、一部のダイビングコンピューターには安全停止の時間をダイバーに知らせる役割があります。ダイビングコンピューターに従い、安全停止を行いましょう。
水温計測
快適にダイビングするためには、水温ごとにスーツや身につけるアイテムを変える必要があります。そのためには、通常の装備のときにどの水温で寒く感じるのかを知っておかなければいけません。ダイビングコンピューターには水温計測の機能もあるので、ダイビングごとにログにつけて、ある程度の水温を把握しましょう。
浮上速度の測定
ダイビング中に急浮上すると、肺の過膨張や減圧症の症状が発生することもあるため、ゆっくりと浮上する必要があります。一部のダイビングコンピューターは浮上速度を測定してくれて、浮上速度が速すぎる場合に警告が鳴り、浮上スピードを調整できます。
ダイビングコンピューターが必要な理由
ダイビングコンピューターの装着は必須ではありませんが、ダイバーはダイビングコンピューターをつけることを強く推奨されています。ダイビングコンピューターがダイバーにとって重要な理由は、以下の3つです。
- 安全性を向上させるため
- ダイビング計画を立てるため
- ログに残す情報を確認するため
安全性を向上させるため
ダイビングコンピューターをつけない場合、安全な潜水時間や安全停止を行うべき位置、浮上速度などが正確にわかりません。ダイビングコンピューターをつけることでそれらを把握でき、窒素酔いや減圧病のリスクを軽減できます。
ダイビング計画を立てるため
ダイビングコンピューターの無減圧潜水時間計算機能によって、ダイビング中でも瞬時に計画を立てられます。たとえば見どころの多い海の場合、すべてを見ていたら無減圧潜水時間を超えてしまうかもしれません。ダイビングコンピューターを活用することで、潜っていられる時間がわかるため、優先的に見たいものを見損ねる可能性が低くなります。
ログに残す情報を確認するため
ダイバーはダイビング後にログをつける必要があり、ライセンスのランクアップにはログの記録が必須です。ログの項目には水温や潜水時間、平均水深、最大水深などがあり、これらの情報はダイビングコンピューターを使えばすぐに知れます。
ダイビングコンピューターの選び方
一口にダイビングコンピューターと言ってもさまざまな製品が売られているため、どれを買うべきか迷ってしまう方も多いでしょう。ダイビングコンピューターを選ぶ際は、以下の3つのポイントを意識するのがおすすめです。
- 機能性
- バッテリー
- 価格帯
機能性
ダイビングコンピューターによって機能性は異なるため、必要な機能が搭載されているものを選ぶ必要があります。とくにおすすめの機能は、以下の7つです。
- 自動的にダイビングモードに切り替わる機能
- 無減圧潜水時間を計算する機能
- 安全停止する深度と時間を知らせてくれる機能
- ダイビングログに記載するべき情報を伝えてくれる機能
- 危険なときに音や振動で知らせてくれる機能
- 飛行機に乗るまでの時間を計算してくれる機能
- エンリッチドエアーなど通常の空気以外に対応する機能
人によって必要な機能は異なりますが、これらの機能があれば、どのような状況でも安心してダイビングが楽しめます。ダイビングコンピューターによっては、GPSがついていたりパソコンやスマホと連携できたりするものもあるので、さまざまな製品を比較してみましょう。
バッテリー
ダイビングコンピューターのバッテリーの種類も、重要な選択ポイントのひとつです。バッテリーには、主に3つの種類があります。
- 電池タイプ:2年に一度程度の割合で電池を交換する種類
- ソーラー充電タイプ:本体のソーラーパネルを太陽光などの光に当てて充電する種類
- USB充電タイプ:本体にUSBケーブルをつなげて充電する種類
バッテリーが切れるとダイビングコンピューターは一切使えないため、ダイビング中に切れないよう使う際はしっかり充電しておく必要があります。それぞれのバッテリーの種類には特徴があるので、ダイビングのシチュエーションなどによって、使いやすい種類のものを選びましょう。
価格帯
ダイビングコンピューターの価格帯は多岐にわたり、相場は7〜15万円程度です。機能性が高いとそれだけ価格もあがるため、予算と機能性を天秤にかけて最適なものを選びましょう。ダイビングのスタイルやレベルは将来的に変化する可能性もあるため、それを見越した選択も必要です。
ダイビングコンピューターを使うときの注意点
ダイバー必須のダイビングコンピューターを使う際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。
- ダイビング前に毎回充電する
- ほかの人と共有しない
- 時間ぎりぎりまで潜らない
ダイビング前に毎回充電する
ダイビング中にダイビングコンピューターの電池が切れてしまうと、正確な水深や時間を知れません。無減圧潜水時間を超過して、さまざまな危険が起こる可能性もあるため、ダイビングコンピューターは使用する前に毎回充電しましょう。海に入る前にバッテリー残量を確認することで、トラブルを未然に防げます。
ほかの人と共有しない
ほかのダイバーと一緒に潜る場合、「誰かのダイビングコンピューターで深度や時間はわかるから自分の分は不要だ」と考える方がいるかもしれません。しかし、体内窒素量を測る機能など、ダイビングコンピューターはすべての機能を共有できるわけではありません。必ず自分専用のものを持ち、貸し借りも避けましょう。
時間ぎりぎりまで潜らない
ダイビングコンピューターには、無減圧潜水時間を教えてくれる機能がありますが、その時間ぎりぎりまで潜るのは避けましょう。ダイビングコンピューターの情報は正しいですが、あくまでコンピューター上の理論です。人による繊細な違いや本数による負担などは管理できないため、無減圧潜水時間よりも短い時間の中でダイビングを楽しみましょう。
まとめ
ダイビングコンピューターとは、ダイバーが安全かつ快適にダイビングを楽しむための情報を提供してくれるデバイスです。装着してダイビングをすることで水深や潜水時間、水温などを知れるほか、減圧症などのリスクを未然に防止できます。ダイビングコンピューターの着用は義務付けられていませんが、安全なダイビングを行うためにも、今回ご紹介した選び方を参考に自分に合ったものを選びましょう。
ダイビングを楽しむには、ダイビングコンピューターのようなアイテムの利用が必要です。さらに本格的なダイビングを行いたい方は、ダイビングライセンスを取得して、深い海の中を自由に探索しましょう。「東京ダイビングスクール Beyond」に世界基準以上の講習を、19,800円で学べます。