海の生き物
2024年07月01日

サンゴ礁を見に行くダイビングの魅力とは?注意するポイントやおすすめダイビングスポットを解説

ダイビングで美しい水中景色を織りなす大きな要素の1つが、サンゴ礁です。サンゴの生態や種類の多さなどを知ると、その魅力を知ってダイビングがもっと楽しくなるはずです。そこで今回は、サンゴ礁を見に行くダイビングの魅力や潜る時の注意ポイント、おすすめダイビングスポットを解説します。

サンゴとはどんな生き物?

海の中で動かずに静かに佇んでいるサンゴですが、実は植物ではなく「刺胞動物」の仲間です。簡単に言うと、植物のように光合成をする動物に分類されます。ここでは、サンゴについて更に詳しく知るための5つの点を解説します。

  • 造礁サンゴと非造礁サンゴの違い
  • ハードコーラルとソフトコーラルの違い
  • サンゴの一斉産卵
  • 褐虫藻との関係
  • サンゴの白化現象について

造礁サンゴと非造礁サンゴの違い

ダイビングで良く見るサンゴは、造礁サンゴです。造礁サンゴは褐虫藻と共生し、光合成をする種類で、サンゴ礁も造礁サンゴによって作られています。一方非造礁サンゴは光合成をする必要がなく、深海に生息しているため、ダイビングで見ることはほとんどありません。

ハードコーラルとソフトコーラルの違い

ハードコーラルとソフトコーラルは種類に関わりなく、硬さで分ける呼び方です。固い骨格を持つサンゴはハードコーラルと呼ばれています。群体を形成していることが多く、ダイビングで見かけるサンゴのほとんどがハードコーラルです。一方ソフトコーラルには、ヤギやイソバナなどの植物のような見た目をしているものが多いです。

サンゴの一斉産卵

サンゴには様々な種類が同時に産卵を行う「一斉産卵」の特性が見られます。日本では5〜6月頃に沖縄でサンゴの一斉産卵が見られます。同じ日の同じ時間に産卵することで異なる遺伝子の交配を図っているといわれていますが、どのようにタイミングを合わせているのかそのメカニズムは明らかになっていません。一斉産卵はサンゴの神秘の1つでもあります。

褐虫藻との関係

サンゴは褐虫藻と共生することで、褐虫藻が光合成で作り出した有機物を利用しています。一方褐虫藻はサンゴが排泄した二酸化炭素などの物質を取り込んで光合成を行っています。観察しながらこのような共生関係について考えるのも、水中観察の面白さです。

サンゴの白化現象について

サンゴに共生する褐虫藻は水温が高くなるとサンゴから出て行ったり、サンゴの体内で色素を失ってしまったりします。こうしてサンゴの白い骨格が見えるようになる状態が「白化現象」です。早い段階で褐虫藻が戻ればサンゴは復活しますが、白化現象が長く続くとサンゴは死滅してしまいます。近年温暖化現象や自然災害、沿岸開発などでサンゴは減りつつあるため、サンゴを守る活動を積極的に行うダイバーたちもいます。

ダイビングにおけるサンゴ礁の魅力

ダイビングの魅力は、思わず現実を忘れてしまうような非日常的な水中景色を楽しめることです。サンゴ礁も水中の幻想的な世界を作り出す要素の1つです。サンゴの種類は世界で800種類あるといわれており、枝分かれしたもの、平たいもの、キャベツのような形のものなど個性豊かです。サンゴ礁が広がる美しい景色を眺める楽しみもあれば、個性的な1つ1つの形を観察する楽しみ方もできます。

サンゴ礁を保護しながらダイビングを楽しむためのポイント

サンゴ礁は失われつつある保護の必要な生き物です。ダイビングをする際は、サンゴ礁の美しさを楽しみつつ、環境を破壊しないよう注意するべき点があります。ここでは、以下の4つのポイントを解説します。

  • サンゴに触れない・採取しない
  • サンゴを踏まないように気をつける
  • 中性浮力を取れるようにする
  • 器材を固定する

サンゴに触れない・採取しない

基本的な点として、サンゴには触れない・採取しないようにしましょう。サンゴに触れるとサンゴを傷つける恐れがあるだけでなく、ダイバー自身も手を切ったり感染したりする可能性があります。また、サンゴはもちろん他の海洋生物も採取してはいけません。中身のない貝殻なども含め、すべての海洋生物はサンゴ礁が生きるために必要な栄養分や物質を提供しています。持ち帰るのは美しい景色の記憶と写真だけにしましょう。

サンゴを踏まないように気をつける

サンゴは壊れやすいので踏まないように注意する必要があります。1人のダイバーが踏んだ小さなダメージでも、成長の遅い種類のサンゴにとっては大きな被害となり得ます。数多く訪れるダイバーたちの与えるダメージが積み重なれば美しいサンゴのある環境が損なわれてしまいかねません。水中ではサンゴを踏まないように細心の注意を払って移動しましょう。

中性浮力を取れるようにする

サンゴ礁のあるスポットでダイビングをする予定がある場合は、中性浮力を習得しておきましょう。浮力が上手く取れていると、うっかりサンゴのある海底に触れてサンゴを傷つけることを防げます。

器材を固定する

リーフにぶら下がる器材がサンゴや他の生物にぶつかり、傷をつけてしまうことがあります。気付かずに環境を破壊してしまうことがないように、ダイビング前には器材をしっかりしまって固定しておきましょう。

サンゴ礁の景色が楽しめる沖縄のおすすめダイビングスポット 5選

ここでは、サンゴ礁の景色が楽しめる沖縄のおすすめのダイビングスポット5選をご紹介します。

  • 慶良間諸島・慶伊瀬島
  • 宮古島・八重干瀬
  • 西表島・石西礁湖
  • 沖縄本島・宜野湾
  • 沖縄本島・水釜

慶良間諸島・慶伊瀬島

慶良間諸島にある慶伊瀬島は、那覇の港から約20分で到着できる無人島です。慶伊瀬島はナガンヌ島・クエフ島・神山島の3つの島から成っています。慶良間諸島と周辺の海は世界有数の透明度の高さからケラマブルーと呼ばれています。透明度の高い海で美しいサンゴ礁の景色が見られるスポットです。

宮古島・八重干瀬

八重干瀬は、宮古島の平良港からボートで40〜60分でアクセスできるダイビングスポットです。日本のグレートバリアリーフと呼ばれるほどの大規模なサンゴ礁を見ることができます。チョウチョウウオやクマノミなどの南国の魚の姿も一緒に楽しめます。

西表島・石西礁湖

石西礁湖は石垣島から西表島にかけて広がる珊瑚礁群です。石西礁湖で確認されているサンゴの数は約400種類で、バラエティ豊かなサンゴを楽しめます。のんびりゆっくりと生物観察がしたい方におすすめのスポットです。

沖縄本島・宜野湾

沖縄本島にある宜野湾は、那覇空港からわずか30分の位置にあるスポットです。宜野湾ではサンゴの植え付け体験が開催されたこともあり、海を守るための活動が盛んに行われています。短い日数でも手軽にサンゴ礁を見に行けるおすすめスポットです。

沖縄本島・水釜

水釜は、沖縄本島の東シナ海側に面する嘉手納町海岸にあるスポットです。水釜の海底にはカラフルなソフトコーラルが広がっています。比較的人が少なく浅場のスポットのため、初心者の方や静かにダイビングを楽しみたい方におすすめです。

まとめ

ダイビングの際に見ることが多いサンゴの多くは、光合成をする造礁サンゴです。造礁サンゴは褐虫藻と共生関係にあり、褐虫藻の色が鮮やかで美しいサンゴ礁の景色を作り出しています。サンゴの種類は世界で800種類あるといわれており、個性豊かな姿を観察するのもダイビングの楽しみの1つです。サンゴは壊れやすいのでダイビング中には傷つけないように注意しながら動くことも忘れないようにしましょう。

「東京ダイビングスクール Beyond」では、安全で確実にダイビングのできるダイバーになることを第一に考えた講習を行っています。ダイビングには陸上にはない多くの感動がたくさんありますが、スキルが身に付いていないとリスクが高くなり十分に楽しむことはできません。当スクールではできること、行ける場所をどんどん広げるためのサポートをしています。ダイビングに挑戦して水中景色を見てみたいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。