「ウミガメを見たい!一緒に泳ぎたい!」との憧れを持ってダイビングを始める方は少なくありません。その生態や接し方を学んでおくと、ウミガメに出会えた時の楽しみがより広がります。そこで今回は、ウミガメに出会えるダイビングの魅力やウミガメの生態、おすすめスポットをご紹介します。
目次
ウミガメとはどんな生き物?
熱帯・亜熱帯の海に生息するカメを総称して「ウミガメ」と呼びます。ウミガメはウミガメ科とオサガメ科の2つに分けられ、7種類のウミガメがいるとされています。そのうち、日本近海のダイビングで見られるのは3種類です。ここでは、さらにウミガメへの理解を深めるための以下の3点を解説します。
● 3種類のウミガメ
● ウミガメの産卵について
● 絶滅の危機にある生物
3種類のウミガメ
日本近海のダイビングで見ることが多いウミガメは、以下の3種類です。
● アカウミガメ
● アオウミガメ
● タイマイ
3種類は頭の形状によって見分けられます。貝や甲殻類が主食のアカウミガメは、下あごが発達しており頭部全体が大きいのが特徴です。アオウミガメは海草が主食で、くちばしが丸く短いです。タイマイは主食の海綿類をかじり取るためにくちばしが発達しているのが特徴です。
ウミガメの産卵について
ウミガメは1年のうち多くの時期を広い海域を回遊して過ごしています。5〜8月頃になると産卵シーズンを迎えて日本近海にやってきます。ウミガメの産卵の所用時間は約1時間ほどです。陸の植物が生えているあたりまで移動して、自分が入るための穴を掘ります。穴を掘り終わるとピンポン玉サイズの卵を100個ほど産み、穴を砂で隠したら海へ戻っていきます。
絶滅の危機にある生き物
日本近海で見られる3種類のウミガメは、環境省 のレッドデータブックに絶滅の恐れがある種として登録されています。国際自然保護連合(IUCN)の野生生物レッドリストでも、近絶滅種や絶滅危惧種に指定されています。ウミガメの数が減っている原因には砂浜の環境悪化や漁業による乱獲が挙げられます。ダイバーによるウミガメの目撃情報は生態研究や保護に役立てられることもあるため、マナーを守ってウミガメ保護に協力できるでしょう。
ウミガメに会うダイビング
ウミガメに会うダイビングをするためには、以下のポイントを抑えることが大切です。
● 場所
● 時期
● 時間帯
● 接し方
場所
ウミガメは日本近海では伊豆諸島から沖縄あたりの広範囲に出没します。場所によって1年中見られるスポットや毎年同じ時期にやってくるスポットがあります。
時期
最もウミガメに会いやすい時期は産卵シーズンの5〜8月です。産卵時期には浅瀬のビーチに多くのウミガメがやってきます。
時間帯
ダイバーたちの経験談によると、ウミガメに会いやすい時間帯は干潮の正午前といわれています。潮見表を確認するとウミガメとの遭遇率の高い日時にダイビングツアーを予約できるでしょう。
接し方
上記で紹介した通りウミガメは絶滅危惧種に指定されている生き物のため、接し方には注意が必要です。ここでは陸上と水中での接し方の注意点を解説します。
陸上
ウミガメを陸上で見つけても、決して触らないように注意しましょう。また、ウミガメ保護柵が設置されているビーチでは、立ち入り禁止のルールを守ることが大切です。特に産卵時のウミガメや生まれたばかりの子ガメはとても敏感なため、近づきすぎないよう注意が必要です。産卵時のウミガメは月の光を頼りに海に戻っていく性質があるため、不用意にライトで照らさないようにしてください。
水中
水中でもウミガメには触れないように注意しましょう。ただし、水中では注意しながら近づくことはできます。水中で近づくときは驚かせないようにゆっくり優しく近づきましょう。ウミガメは水中では非常に高速で泳ぐため、逃げられたら追いかけるのはほとんど不可能です。ウミガメがサンゴで止まって食事をしたり休憩したりしている時は観察しやすいタイミングですが、ストレスを与えずに近づくことを心がけましょう。
ウミガメに会えるおすすめのダイビングスポット 8選
ここでは、ウミガメに会えるおすすめのダイビングスポット8選をご紹介します。
● 伊豆半島・川奈ビーチ(静岡県)
● 式根島・御釜湾(東京都)
● 久米島・グランビュータートル(沖縄県)
● 屋久島(鹿児島県)
● 渡嘉敷島・とかしくビーチ(沖縄県)
● 座間味島・阿真ビーチ(沖縄県)
● 池間島・八重干瀬(沖縄県)
● 石垣島(沖縄県)
伊豆半島・川奈ビーチ(静岡県)
伊豆半島・川奈ビーチは関東近郊でウミガメを見られる貴重なスポットです。川奈ビーチには数匹のウミガメが定着しており、1年を通して高確率で遭遇できます。透明度の高い海に白砂の海底が続く川奈ビーチでは、関東にいながら南国気分を味わえるダイビングができます。
式根島・御釜湾(東京都)
式根島は東京都に属する離島です。式根島のダイビングスポット御釜湾では、海中温泉で泳ぐアオウミガメの姿が見られます。まるで温泉でリラックスしているような珍しいウミガメの姿を観察でき、かなり近くまで近づくこともできる珍しいスポットです。
久米島・グランビュータートル(沖縄県)
沖縄県にある久米島のグランビュータートルは、一度のダイビングで30匹以上のウミガメに出会えることもある人気のスポットです。主に見られるのはアオウミガメですが、稀にアカウミガメやタイマイを見られることもあります。
屋久島(鹿児島県)
鹿児島県の屋久島ではアオウミガメやアカウミガメとの遭遇率が高いです。屋久島のダイビングスポットによっては、ウミガメと一緒に泳げることもあります。また、屋久島ではウミガメの産卵時期にウミガメ観察会なども開催されており、陸と水中の両方でのウミガメ観察を楽しめます。
渡嘉敷島・とかしくビーチ(沖縄県)
とかしくビーチは、沖縄県にある渡嘉敷島の真ん中に位置するビーチです。岸から300mくらいまでの広範囲が遊泳区域となっており、シュノーケリングでもウミガメと会えます。美しい珊瑚礁や熱帯魚などの水中景色もとかしくビーチのダイビングの魅力です。
座間味島・阿真ビーチ(沖縄県)
阿真ビーチは、沖縄県の座間味島の西に位置するスポットです。満潮時に海藻を食べにやってくるウミガメに高確率で出会うことができます。遊泳エリアから外に出たウルノサチでは珊瑚の花畑のような水中景色にいるウミガメの姿が見られます。
池間島・八重干瀬(沖縄県)
八重干瀬は沖縄県池間島の北側に位置する、25kmに及ぶ日本最大の卓状サンゴ礁群です。美しいサンゴ礁の景色とウミガメとの遭遇を楽しめる他、カラフルな熱帯業にも多く出会うことができます。
石垣島 (沖縄県)
沖縄県の石垣島ではアオウミガメとの遭遇率が最も高いですが、タイマイやアカウミガメが見られることもあります。石垣島のウミガメは広範囲を泳ぎ回ることが少なく、いつもの決まった場所から半径100km以内で行動していることが多いです。また、石垣島のウミガメは狭い場所が好きで岩の隙間に隠れて寝ていることが多いです。お昼寝中の可愛いウミガメの姿を観察できるのは石垣島ダイビングの醍醐味の1つです。
まとめ
日本近海で見られるウミガメは主に、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類です。ウミガメは関東近郊では伊豆から沖縄諸島に至るまで、日本近海の広い範囲で見ることができます。ウミガメとの遭遇率が高いのは産卵時期の5〜8月頃です。ウミガメは絶滅危惧種にも指定されているため、接し方には注意が必要です。水陸ともにウミガメには触らないようにし、水中で近づく場合も驚かさないように優しく近づきましょう。
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