西表島は、島全体が国立公園に指定されており、水陸ともに珍しい生物が多く生息するエリアです。一年を通して楽しめるダイビングスポットも数多くあり、生物の観察が好きなダイバーにおすすめです。今回は、西表島のダイビングの特徴や季節ごとの楽しみ方を解説します。
目次
西表島のダイビングの特徴
西表島は、沖縄の中で2番目に大きな島で、島全体が国立公園に指定されています。島の8割以上は亜熱帯植物に覆われており、「東洋のガラパゴス」とも呼ばれています。山から川を通して流れ込む栄養豊富な水中には、多彩な生物が生息しており、季節ごとの見どころが多くあるエリアです。西表島では、ほぼすべてのダイビングスポットにボートで向かう必要があります。
西表島への行き方
西表島には空港がないため、アクセス方法は高速船のみです。石垣島から出港し、西表島の上原港へ着く便と大原港に着く便があります。乗船時間は40分程度です。また、新石垣空港から石垣港離島ターミナルまでは、タクシーや路線バスで30分〜45分程度かかるため、出港時間に合わせて移動時間を計算しておくことをおすすめします。
西表島のおすすめダイビングスポット
ここでは、西表島でおすすめのダイビングスポットをご紹介します。
- 鹿ノ川・中の瀬
- 仲ノ神島・三の根
- 仲ノ神島・東の根
- 崎山・沖の根
- バラス東
- 鳩間島
- トカキン曽根
- シークレットガーデン
- ヨナラ水道マンタウェイ
- 美田良浜
- T’sエリア
- レニンフェア
鹿ノ川・中の瀬
中の瀬は、西表島の中でも代表的なマンタスポットです。沖に向かって何本もの根があり、マンタが集まるクリーニングステーションとなっています。また、サンゴの間を舞うキンメモドキやイソマグロも見どころです。
仲ノ神島・三の根
三の根は、ボートで約50分の場所に位置するスポットであり、イソマグロやバラクーダの群れが見られます。時期によっては、1000匹以上のカスミアジに遭遇することもあります。過去にはジンベエザメも現れており、嬉しいサプライズがありそうなスポットです。
仲ノ神島・東の根
東の根は、迫力のある断崖の根が特徴のスポットです。イソマグロやバラクーダ、ロウニンアジなどの大物と遭遇できる場合もあります。根につかまりながら正面からの流れに耐え、大物の登場を待てる刺激的なスポットです。
崎山・沖の根
沖の根は、イソマグロやバラクーダの群れに遭遇しやすいスポットです。とくに春先は大きな群れが見られる確率が高まります。また、根の周りは魚影が濃く、カスミチョウチョウウオなど色彩豊かな魚たちの様子が見られます。
バラス東
「バラス」とはサンゴの化石のことであり、潮の流れで集められ、蓄積して作られたのが「バラス島」です。バラス東は、バラス島の東側にあるスポットで、浅瀬にさまざまな種類のサンゴが群生する様子を観察できます。巨大なウミウチワやサンゴの周りを泳ぐキンギョハナダイ、アカネハナゴイなどが見どころです。
鳩間島
鳩間島は、西表島の北に浮かぶ島です。島の周辺には大きなサンゴ礁があり、いくつかのダイビングスポットがあります。岩の隙間に潜むウコンハネガイやテンテンウミウシ、エリグロギンポなどのマクロな生物を観察できます。
トカキン曽根
トカキン曽根は、上原港から約5分でたどり着けるスポットです。トカキンとはイソマグロのことで、トカキン曽根ではイソマグロの群れが見られます。また、ブラックフィンバラクーダの大群と遭遇することもあります。
シークレットガーデン
シークレットガーデンは、西表島の西側の崎山リーフ内に位置するスポットです。鮮やかなエダサンゴが広がる、見事なサンゴ礁を眺められます。サンゴの周囲には、デバスズメダイやクマノミなどが生息しているのが特徴です。また、美しい水中写真を撮影するのに最適なスポットでもあります。
ヨナラ水道マンタウェイ
ヨナラ水道マンタウェイは、西表島と小浜島の間にある水路に位置します。元祖マンタステーションで、マンタとの遭遇率が高いスポットです。また、ガーデンイールやチョウチョウウオなどを見ることもできます。
美田良浜
美田良浜は、珍しくて個体数の少ないトウアカクマノミが見られるスポットです。また、テンジクダイやタテジマキンチャクダイ、ミナミハコフグなどのマクロな生物を観察できます。
T’sエリア
T’sエリアは、船浮湾の奥に位置するスポットです。夏前には、マンジュウイシモチの子どもの姿が見られます。また、ジュウモンジサラサハゼやシマキンチャクフグ、シリキルリスズメダイなどの愛らしい姿もじっくり観察できます。
レニンフェア
レニンフェアはシークレットガーデンに続き、サンゴの群生が見どころのスポットです。大きなパラオハマサンゴがそびえていたり、無数のテーブルサンゴが広がっていたりする雄大な自然の様子を見られます。
季節ごとの西表島ダイビングの楽しみ方
西表島は、季節ごとに異なる生態系の変化を見る楽しみ方もできるスポットです。ここでは、それぞれの季節の見どころをご紹介します。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
- オールシーズン
春
春は、命の誕生が見られる季節です。クロオビアトヒキテンジクダイの口内保育は、内湾の浅瀬のいたるところで観察できます。また、スズメダイの幼魚やウミウシの幼体など、かわいらしい姿を観察できることもあります。
夏
夏は、黒潮の流れに乗ってやってくる南方種が見られ、ヒーリップルやハゼの幼魚なども観察できます。ハナダイは産卵期に入り、夏の強い光も相まって、彩り豊かな姿が見られます。大潮の時に見られるウミショウブの開花も、夏だけに観察できる見どころのひとつです。
秋
秋は、夏場とは違う生物の産卵期が始まります。カエルアンコウやニシキフウライウオ、ミナミハコフグなど、変わった生物たちの幼魚の姿が見られます。秋は台風によって、普段見かけない生物が運ばれてくることもあり、じっくりと水中観察がしたい方に向いている季節です。
冬
冬は、トガリモエビやクサイロモウミウシなどが見られます。冬はダイバーや旅行客の数が減るため、深場にいるハゼやハナダイを、じっくり時間をかけて撮影するのにも向いています。
オールシーズン
西表島で一年を通して遭遇できる生物には、ウミガメやマンタがいます。ウミガメやマンタが水中を優雅に泳ぐ姿は、何回目撃しても飽きない光景です。
西表島でのアフターダイビングの楽しみ方
西表島では、アフターダイビングに楽しめるアクティビティも多く用意されています。ここでは、おすすめの楽しみ方3つをご紹介します。
- カヤック
- 釣り
- 動物
カヤック
西表島では、広域に広がるマングローブ林を通るカヤック体験が人気です。亜熱帯地域にしか生息しない動植物を見つけたり、非日常的な自然界の雰囲気でリラックスしたりできます。水中のダイビングを楽しんだら、次は水上の景色を味わうカヤックを体験してみるのもおすすめです。
釣り
西表島では、沖縄ならではのリーフフィッシングやマングローブフィッシングができます。南国でしか見られないような魚が釣れることもあり、釣りを通して豊富な島の生態系を感じられます。生態系に配慮した釣りをおこなうためにも、ツアーやガイドを利用するのがおすすめです。
季節ごとの動物
西表島には、陸上にも多くの珍しい動物がいます。散策する際は、以下の動物を探してみると楽しめるでしょう。
- ヤシガニ
- イリオモテヤマネコ
- カンムリワシ
- ヤエヤマオオコウモリ
繊細な生物や危険な生物もいるため、遭遇しても手は触れず、静かに観察して楽しむようにしましょう。
まとめ
西表島は、面積のほとんどが亜熱帯植物に覆われている島で、水中でも多くの珍しい生物に出会えるダイビングスポットです。季節ごとに異なる生物の産卵時期があり、訪れる度に珍しいシーンを見られる機会があるかもしれません。アフターダイビングでも自然を楽しむアクティビティが多くあり、魅力満載なスポットといえます。
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