安全なダイビングにハンドシグナルは必須!覚えるべき20のシグナルとは

安全なダイビングにハンドシグナルは必須!

空気が入ったタンクを背負って海の中を潜水するスキューバダイビングでは、普段は見られないような美しい海の世界を楽しめます。

しかし海の中では言葉を発することができないため、通常のコミュニケーションができません。安全なダイビングのために欠かせないのが、ハンドシグナルです。

そこで今回は、スキューバダイビング中によく使うハンドシグナルについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

ハンドシグナルとは

ハンドシグナルとは、手や指を使って自分の状態や気持ち、海況や機材の状況を表すコミュニケーション手段です。

ダイビング中は声を出せないだけでなく、思うように呼吸ができなかったり、重い機材を背負っていたりと、陸上とはさまざまな違いがあります。

身体の不調やパニックを起こすこともあり、ハンドシグナルを使ってインストラクターやバディと意思疎通をすることが非常に重要なのです。

ハンドシグナルは世界中どこでも使えるコミュニケーション手段なので、どの海でダイビングをしても活用できます。

安全なダイビングのためにも、必ず習得しておくようにしましょう。

 

自分の状態を伝えるときに使うハンドシグナル10選

自分の状態を伝えるときに使うハンドシグナル

身体や機材などに何らかの不調が生じた場合、ハンドシグナルを知っておけば、一緒にダイビングをしている人に伝えられます。

ここからは、安全なダイビングのために使える、自分の状態を伝えるときに使うハンドシグナルを10個ご紹介します。

 

OK

「OK」を意味するシグナルは、片手の人差し指と親指で丸を作る動作です。インストラクターから耳抜きの状態や体調について質問されたとき、問題なければこのシグナルで応答しましょう。

インストラクターやバディがこのシグナルをしているときは、「OKですか?」という確認の意味です。問題なければ「OK」を、何か問題がある場合はほかのハンドシグナルで応答しましょう。

 

異常あり

片手をパーの状態にし、手のひらを下にして前に出しながら左右に動かす動作が「異常あり」のハンドシグナルです。

体調や機材など何かしらに異常を感じたら、この動作を行います。このあとに、何に異常が起きているかを伝えるハンドシグナルを行いましょう。

 

浮上する

片手をグーにして親指だけを上に立てるのが、「浮上する」のシグナルです。

ダイビング中にパニックなどに陥ると、浮上したくなる瞬間があるかもしれません。浮上したいと思ってもインストラクターの指示なく浮上するのは危険なので、「浮上する」を使って意思表示を行いましょう。

ほかの方がこのシグナルを行う場合は、「そろそろダイビングを終えて浮上しましょう」という意味となります。

 

潜降する

「浮上する」とは反対に、片手をグーにして親指だけを下に向ける動作が「潜降する」のハンドシグナルです。

海に入り潜降する準備ができたら、このシグナルを使って知らせましょう。

 

寒い

「寒い」のハンドシグナルは、両腕を交差しながら両手で二の腕をさする動作です。

海の中は深くなればなるほど水温が低く、防寒対策が不十分だと、想像以上に寒さを感じることもあります。

ダイビング中に寒さを感じたら、我慢せずに伝えましょう。

寒さを我慢してダイビングを続けると、低体温症が生じる可能性があります。

 

エアーが少ない

エアーの少なさを伝えるハンドシグナルは、片手をグーの状態にして胸に押し当てる動作です。

タンクに入っているエアーの残圧が100を切ったら、「エアーが少ない」のシグナルを行い、インストラクターやバディに伝えます。

エアーがなくなると呼吸ができず、命にかかわる危険な状態になるため、エアーの残圧はこまめにチェックして伝えることが大切です。

 

エアーがない

エアーがなくなったことを伝えるには、手のひらをパーの状態にして首を切るような動作を行います。

エアーの残圧が0に近くなった場合はこのシグナルを行い、緊急事態であることを伝える必要があります。

 

空気がほしい

手のひらをパーにし、自分の口に向かって誘導する動作が「空気がほしい」のハンドシグナルです。

エアーがなくなるとインストラクターやバディにわけてもらう必要があるので、「エアーがない」のシグナルと一緒に覚えておきましょう。

 

体調が悪い

手を使って自分の前に大きな縦長の円を描く動作が、体調が悪いことを示すハンドシグナルです。

自分の身体に異変があったときや身体の不調を感じたときに、このシグナルを使います。

 

待って

その場に留まりたいときは、手をパーにして手のひらを相手に向かうハンドシグナルを行います。

ダイビング中に写真を撮りたいときや、魚などを観察したいときなどに使いましょう。

 

 

インストラクターがよく使うハンドシグナル10選

インストラクターがよく使うハンドシグナル

ご自身で使うことはなくても、インストラクターが指示を与えるときに使うハンドシグナルも多くあります。

内容や意味を理解しておかないと、正しく指示に従えなくなってしまうので、自分で使うシグナルと一緒に覚えておきましょう。

 

耳抜き

人差し指で耳を示す動作が、「耳抜き」のハンドシグナルです。

陸上と比べると水中の圧力は大きく、深く潜れば潜るほど耳の鼓膜が圧迫されます。深い海の中を潜るダイビングでは、鼓膜にかかる圧力を解消する「耳抜き」が欠かせません。

インストラクターがこのシグナルを行うと、「耳抜きをしてください」という意味があります。

耳抜きができている場合は「OK」のシグナルで、うまくできない場合は「異常あり」のシグナルで返答しましょう。

 

引き返す

人差し指を上に立てて円を描くと、引き返すという意味のハンドシグナルになります。

基本的にダイビングはルートが決まっていることが多く、元のルートに引き返すときにこのシグナルが使われます。

 

落ち着いて

パーの状態にした手のひらを上下に動かす動作は、「落ち着いて」を意味します。

インストラクターがこのハンドシグナルをしていれば、大きく深い呼吸をして気持ちを落ち着かせましょう。気持ちが落ち着けば、「OK」のシグナルで大丈夫であることを伝えます。

 

危険

手をグーの状態にして前に突き出す動作は、「危険」のハンドシグナルです。

危険なエリアや海洋生物がいる場合、このシグナルが使われます。手の先に危険なものがあるため、近づかずに距離をとるようにしましょう。

 

タンクの残圧確認

片手をパーにして手のひらをもう片方の人差し指で示すハンドシグナルは、タンクの残圧確認を意味します。

インストラクターがこのシグナルを行ったら、自分の残圧計を確認して伝えましょう。数字の伝え方は、日常生活と同じ人差し指から立てていく方法で問題ありません。

 

呼吸をして

手を身体の前で前後する動作は、「呼吸して」というハンドシグナルです。

ダイビング中にパニックになると、呼吸が浅くなったり少なくなったりします。ダイビングには深くゆっくりとした呼吸が必要であり、浅い呼吸だと十分に二酸化炭素を取り込めません。

このシグナルを見たら、落ちつていてゆっくり呼吸するよう心がけましょう。

 

こっちに来て

手のひらを自分側に向けて前後に動かす動作は、「こっちに来て」のハンドシグナルです。

ほかの方がこのシグナルを行う場合、何か見せたいものがあるのかもしれません。

 

こっちを見て

「こっちを見て」のハンドシグナルは、人差し指と中指で自分の目を示す動作です。

インストラクターが別のシグナルやほかの方法で何かを伝えたいときに、この動作が使われます。水中でのコミュニケーションは見ることが重要なので、これを見たら必ずシグナルを出した方に注目しましょう。

 

手をつないで

身体の前で両手を握る動作は、「手をつないで」のハンドシグナルです。

疲れたダイバーや不安を抱えるダイバーがいる場合、手をつなぐと安心することがあります。ダイビング中このシグナルを見たら、ほかのダイバーと手をつなぎあいましょう。

 

安全停止

「安全停止」のハンドシグナルは、片手の親指を立てて、もう片方の手のひらに当てる動作です。

安全停止とは、ダイビング終了前に水深3〜6m程度の場所で3分間停止することです。安全停止を行うことで、減圧症のリスクを減らせます。

このシグナルが出されたら、できるだけ水深を上下せずに停止しましょう。

 

まとめ

声が出せない海中でコミュニケーションをとるには、手や指で状態や感情を表すハンドシグナルが欠かせません。

陸上と環境が大きく変わる海中では、想定外の異変が起こる可能性も高いため、安全なダイビングのためにも、今回ご紹介した20個のシグナルを覚えておきましょう。

ハンドシグナルを覚えて安全にダイビングができるようになると、今まで以上に安心して海の世界を楽しめますよ!

 

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